フューチャーラボラトリ解剖学 第2回歩けば、自分のビジネスが見えてくる!!ビジネス、そして経営をデザインする、とは?

フューチャーラボラトリに対しアドバイスをくださっている外部の有識者の方々に、 ” フューチャーラボラトリとはなにか?”そして、”橋本昌隆がこれから成すべき事はなにか?” をお聞きするのがこの「フュー チャーラボラトリ解剖学」。

その第2回は、オムロン株式会社においてグーパスの仕掛人として知られた オムロンソフトウェア株式会社取締役サプライチェーンサービス事業部長の 竹林一氏にご登場いただきました。

インタビューはフリーランスジャーナリストのチバヒデトシとともに、 フューチャーラボラトリにインターンとして在籍する東京大学の福田啓子さんが 学生の視点でお話をお聞きします。

Guest

オムロンソフトウェア株式会社 取締役 サプライチェーンサービス事業部長

竹林一

Interviewer

東京大学

福田啓子

構成/執筆

チバヒデトシ(ジャーナリスト)

人のやる気=モチベーションをうまく引き出すしくみを作ってみたい

グーパスは阪急電鉄をはじめとした関西圏の主要な鉄道会社や関東では小田急電鉄が採用しているモバイル情報サービスです。
鉄道の自動改札と連動して、乗客があらかじめサービス契約した定期券で自動改札を通過する際に、乗客の携帯電話のメールアドレスに駅周辺情報や指定した情報をメールで配信するもの。

グーパスのシステムを活用したアンケートなどのマーケティングモデル、子どもの通過情報を取得送信するあんしんグーパスなどもあります。特に関西では生活密着型の情報サービスとして浸透しています。オムロン株式会社ICカード・モバイルソリューション事業推進室室長として、このグーパスを発案し、開発を指揮された竹林氏に、開発の現場から経営までさまざまなものを“デザイン”してきた経緯についてお話しいただくとともに、そこから得たどんなものを伝えようとしているのか、驚くようなエピソードとともにおうかがいしました。

オムロンソフトウェア株式会社 取締役
サプライチェーンサービス事業部長
竹林一氏

竹林:竹林一の『一』はのばすんじゃなくて“はじめ”と読みます。“たけばやし~”ではないので、よろしくお願いします(笑)

と、竹林氏は名刺を差し出しながら切り出し、のっけから竹林氏のペースに引き込まれてしまった。さらに竹林氏は畳み掛ける。

竹林:ホントのところは、この『一』をのばすという話はある関西の会社の窓口で“これはのばすんですか?”と聞かれまして。それからネタに使わせてもらっています。以前はハイフンだと思われた事もあったし(笑)

とくったくなく笑う、とても大企業の部長職とは思えないフランクな竹林氏の人柄に取材陣はすっかり呑み込まれてしまった。竹林氏は京都出身。デザインを志して美大に進もうとした事もあったが、コンピュータも芸術だな、と思い、システム開発の道に進み、オムロンを選んだという。

―――なぜ、オムロンを選んだのですか?

竹林:オムロンを選んだのは、自動改札やATM、信号といった社会に貢献するシステムを手がけている事が面白いと思ったからですね。ハードやソフトだけではなくデザイニングでいままでになかったような社会システムを構築したいと思ったんです。

 また大学での研究テーマがコンピュータでカウンセリングができるか、というものでしたので、その中で人のやる気=モチベーションをうまく引き出すしくみを作ってみたいと思ったのです。日本のエンジニアが元気でなくなってきていると思ってまして。エンジニアのモチベーションをどう高めるかが大事なんです。日本のエンジニアが自分のやりたい事を見つけてモチベーションを高めてほしい、そう思っています。
このふたつをオムロンソフトウェアで進めています。

―――具体的にこれまでオムロンではどのようなお仕事を手がけてこらたのでしょう?

竹林:入社当初はソフトウェア開発を担当しました。流通系システム、海外のPOSやレジのプログラムを組んでいました。

次はシステムエンジニア。イオンさん向けの流通システムをはじめ、鉄道システムやATMの後方ロボットシステムなどを手がけました。ATMの中に余っているお金を後方で調整するロボットシステム、ビデオのレンタルマシンなんかもやりましたね。

また今流行の非接触型ICカードでビル内の照明などをコントロールするシステムを開発、自分自身で非接触型ICカードをコイルを巻いて作ったりと。

その後は、プロジェクト・マネージャーの仕事が多くなりました。プロジェクト・マネージャーとしての最後の仕事がパスネットでした。

それまで鉄道のシステムは各社個別に独立したものでした。そこに各機能ごとに標準化された分散型サーバを提供するという構想をご提案、運賃管理のみ、収入管理のみ、機械管理のみ、とシステムを標準し各鉄道会社さまに共通のシステムを納入させていただきました。

その結果、関東において大半のシステムを受注させていただいたソフトだけでも数千人月規模の開発量になりました。そして上司からその開発リーダーをやれと言われまして。

―――数千人月規模のマネージメントですか。それはすごいですね。

竹林:実は僕はその前に進めていたプロジェクトで失敗していたんですね。

そんな人間にやらせるなんて、なにを考えているんだろうと思ったのですが、後に上司に聞いたところ、“一回失敗したら、二回は失敗しないだろ”と言われ、驚きましたね(笑)。

この仕事はいままでやった仕事の5~6倍どころじゃない巨大なシステムで、それなりに心痛がありました。その時、上司がくれたアドバイスが映画の「八甲田山」を見ておけと。そこから自分自身、リーダーとしてどうあるべきなのかを学びました。

『八甲田山』
実話を元に描いた新田次郎原作の同名小説の映画化作品。青森・八甲田山での厳冬の大規模演習において、大部隊が遭難する中、自分の信念を貫く、高倉健が演じる主人公が率いる小隊のみが生還する物語。

商店街もうれしいですし、京都の街もうれしい。 オムロンもちょっとうれしい。

フューチャーラボラトリにインターンとして在籍
東京大学
福田啓子

―――そして、いよいよグーパスという事ですね。

竹林:2001年にサービスの実証実験を行いまして、2003年には小田急電鉄さまにに採用いただき、サービスがスタートしました。 その後、2004年にPiTaPaと連携したPiTaPaグーパスのサービスが、関西圏の阪急電鉄、京阪電気鉄道などでスタートしました。

『PiTaPa(ピタパ)』
関西圏を中心に鉄道・地下鉄・バス事業者などが加盟する、”スルッとKANSAI協議会”が導入した非接触型ICカードによる改札システムとショッピングなどの決済サービスに対応したカードの事。「Postpay IC for “Touch and Pay”」の略で、公共交通機関の乗車ICカードとしては世界初となるポストペイ(後払い)方式を採用した画期的なシステム。

―――サービスを進めるにあたって、いろいろと面白い仕掛けがあると聞いています。

竹林:約1,500店ある京都の商店街と鉄道をつなげるしくみが面白いんです。例えば、PiTaPa、ICOCA等鉄道の非接触型ICカードを使用して京都に来ていただきクレジットで買い物してもらったら、運賃をただにするというものです。日本の環境問題のシンボルでもある“京都議定書”。
京都に車ではなく電車で買い物にきていただければ、環境にもいい。商店街もうれしいですし、京都の街もうれしい。オムロンもちょっとうれしい、となるわけです(笑)

 また、還元する電車賃からどこぐらいから京都にお客様が流れてくるのかわかります。このように1枚のカードでみんながWIN vs WINになる関係が出来はじめています。

―――京都のお話以外にもびっくりするようなエピソードがあるとか。

竹林:マンションの話ですね(笑)これも関西での話ですが、グーパスで沿線の建設中のマンションを紹介して、マンションの情報に誘導するものなのですが、これが実際に見学にきていただいて、実際にマンションを購入していただいたケースがあったのです。僕らとしては誘導率を見ていただけで、まさか実際に売れるとは思ってもみなかったんですよ。

―――それはすごいですね。

ただ単にサイトで紹介してもそこをフックに売れると言う事はなかなかないと聞きます。生活密着、地域密着型のグーパスの特徴が活かされた好例ですね。

竹林:こうしたグーパスを使った消費動向のマーケティング調査はいろいろやっています。例えば、コーヒーショップのマーケティングを行ったのですが、これが30%のレスポンスがあって、アンケートをとっても30%のレスポンスがあるんです。駅に密着した駅ごとのアンケートを取ると、駅で降りた人の消費行動をつかめるんです。

 わかってきたのが、駅で降りた人が自宅で食事してきたのか、他のどこかで食事をしてきたのか、コンビニに行く人、コーヒーショップに行く人。そしてコーヒーショップはどこに行くのか。駅ごとの特徴が出てくるんです。

―――なるほど。面白い!グーパスについては、もうちょっといろいろとうかがいたいですね。

実は橋本にとってこのグーパスが竹林氏と出会うきっかけになっています。橋本が竹林氏と出会いから話を進め、竹林氏のびっくりエピソードから、橋本、そしてフューチャラボラトリへのアドバイスをいただきます。

フューチャーラボラトリとの出会い

有識者の方々にフューチャーラボラトリを掘り下げていただく「フューチャーラボラトリ解剖学」。引き続き、グーパスをキーワードに当時オムロン株式会社だった竹林一氏と橋本の出会いから話を進めます。

橋本さんが竹林さんと出会うきっかけになったのがグーパスだと言う事ですが、そのあたりの経緯をお聞かせください。

橋本:当時、オムロンの副社長だった市原達朗氏を存じておりました。私はもともと関西がベースでしたので、グーパスについては知っていました。

 それでその市原さんから、オムロンが仕掛けているという事を聞きまして、これはぜひ、仕掛人に会ってみたいと思い、市原さんに竹林さんを紹介してもらったというわけなんです。

竹林:橋本さんとお会いして、仕事ベースというよりも、お互いに人生でやりたい事があって、社会をよくしたい、という共通点を感じましたね。

橋本:最初にお目にかかって、まず、あっけにとられましたね。オムロンのイメージが完全にひっくり返りました。グーパスのウラにはこんだけアイデア山盛りだったという事、そして、竹林さんの実行力に感動しました。なにしろ世間がiモードに食いつきはじめたばかりの頃で、ああいうビジネスをやっていたというのに驚かされました。

株式会社フューチャーラボラトリ
代表取締役社長
橋本 昌隆

―――具体的にグーパスのどの辺が凄いと思ったのですか?

橋本:なんといってもマーケティングが優れています。どうやって最適な広告を届けるか、グーパスはシンプルに実現しているんですね。こういう事は理論的にはわかっていても、その仕掛けをちゃんとやっている人はきわめて少なかった。それをフックにしているのが自動改札というのには本当にびっくりしたんです。自動改札を使おうなんて思いつく人がいるとはという事でね。コーヒーショップの話もインパクトありましたし、マンションが売れた話には本当にびっくりしました。

竹林:自動改札は非接触カードになると部品が少なくて済むんです。で、後はデータ。データの活用を提案できるのはオムロンだけでしたので。

 それで自動改札に対する視点を逆転してみたんですね。自動改札が街のひとつの接点だとして、駅を鉄道への入り口ではなく、街に出る街へのゲートだと考えたわけです。そして、自動改札をただの検札機械ではなく、駅員さんの仕事をこなすロボットだという視点から、自動改札の価値を考え直したんです。グーパスからお客様にメールを出しますと返事を返してくれる人がいっぱいいるんです。

 定期券から性別がわかるんですが、特に女性の方がメールを返してくれます。お気に入りの店を紹介してほしいとか、 中には出会いから別れまでの恋バナを書いてくる人までいて、それに毎回、返事を書いているとメル友になっちゃうので、二回までで止めろとかね(笑)。仮想ペットと同じ感覚なんですよね。

―――PiTaPaとの連携も素晴らしいですね。こういうところに関西の方の考え方の柔軟さを感じますね

竹林:関西ではお客さんがすごいんですね。関東はカードに初乗料金分がないと改札が通れませんが、関西では10円でも残っていたら乗れるんです。関西ではお金があるのになんでのれへんねんみたいな苦情がやってきます。関西にはたまにハッとさせられる事がありますね。

 ちょっと前に、東京が勝ち組で、関西が負け組、という話がありました。それで僕は勝ち負けでなく、おもろいおもろくないで考えませんか? と提案した事がありました。それである方が、日本の中心は東京で、アジアの中心は大阪や、と。このドメインをかえてしまうという発想は面白いですね。橋本さんのように、こういうビジネスを立ち上げている人がいるとかね。

歩くといろんなものが見えてくる

―――グーパス以後はどのような活動をされているのでしょう?

竹林:オムロンソフトウェアで企業変革をやれと言われまして、オムロン時代のビジネスモデル開発から事業自体のモデル開発をはじめています。ソフトウェアやシステムの開発、プロジェクト・マネージャー、新規のビジネスモデル開発、そして、今度は経営そのものをデザインするというわけです。

 あらゆるものをデザインしていくと、プロセス化されて、だれでもがわかりやすくなってきます。そのプロセスをまとめて、講演会をやらせてもらったり、いままでのノウハウをまとめて「ビジネス五輪書」を作ったり。部下160人集めて、どんな生き方をするのかからやっています。人がどうやって伸びるのか、根本的な考え方やプロセス、ビジネスがこの五輪書につまっています。

―――五輪書に至るまでに、お仕事以外に個人的にはどのような得るものがありましたか?

竹林:オムロンには、管理職になって5年目に最長で三ヶ月休めるという面白い制度があるんです。僕は二年前に2ヶ月の休みを取りました。セキュリティ事業を立ち上げていた頃だったので、ダメもとだったのですが、社長は年間のコミットを達成するのであれば休んでいようがいまいが関係ないと。3ヶ月の休みを予定したのですが、結局、2ヶ月目で呼び戻されたんですが。

 しかし僕が2ヶ月休んでも会社は回っているんですね。さっぱりなんの連絡もこない。つまり、自分がいなくとも会社は回るんだとわからせるんですね。もちろんそれには寂しいものもあります。しかし休みの間にみんななにをつかんで帰ってくるんですよね。

―――二ヶ月間なにをしていたのですか?

竹林:それがまさか休めるとは思っていなかったので、なにも計画していなかったんです。その頃は、6年間、京都から東京に単身赴任できていたんですが、着て早々に東京の街のコンテンツを配信する提案をした時、お客様から東京の街を語れるのか、と言われてしまいしまて、それで、いろんな鉄道の沿線を全部歩いたんです。

 昭文社の東京都が314のエリアに分かれている地図を持って、歩いたところを塗りつぶしていきました。塗りつぶしたエリアが増えてくると塗りつぶしてないところが気になってしまって、土日に地図を塗りつぶして歩いて、3年半かかって東京の全部の街を歩き終えました。塗りつぶした地図に、当時の昭文社の社長がサインしてくださいました。

 社長も自分の出版した本にはじめてサインをした、と言っておられました。

 そんなわけで、すっかり歩くのが好きになったんです。休みが出来て、ふと住んでいた恵比寿のこの前の道は京都の家に続いているんだよな、と思って。

 そう思ったら、居ても立ってもいられなくなりまして、その場で決意して「いまから歩いて帰る」と家族に電話をして歩き始めたんです。家に帰るまで15泊16日かかりました。家族には怒られましたよ。なにしろ新幹線で帰れば、1万3,000円ぐらいなのに歩いたら泊ったり、おいしいもの食べたりで20万円以上かかってしまって(笑)

 面白い事に短パンでランニングにリュックだけ背負って歩いていると、お金がないと思われるんですね。失業してお金がないから歩いて帰るのかな、と。出会う方々にはいろいろとよくしていただきました。

―――すっかり東海道中五十三次を地でいってますね。竹林さんにとって歩く事はどんな事なんでしょう?

竹林:歩くといろんなものが見えてくるんです。歩きながら自分自身のビジネスモデルはなにかなあなどと? 
なんのため歩いているのか? なんのため仕事しているのか?をじっくり考える事ができました。

 そして自分自身のビジネスプロセスにまとめる事ができたのです。この歩いた経験以外にも、山伏に興味が出て、修行しに行って“西ののぞき”を体験したり、青梅山に滝行にも行きました。自然と一体になること、滝と同じ流れに身をおく。滝と一体になるんです。

 そうすると滝に流されない、そして滝が痛くないんです。そこからお客さんと同じ方向をむく事、一体になる事が大切とわかったり。そうした経験を発信していけば、みんなが幸せになるかなと思いました。

橋本さんは蝶々なんです

―――橋本さんのグーパスや竹林さんに対して思う事が聞きましたが、竹林さんは橋本さんおよびフューチャラボラトリに対してどう思われているのか、ぜひお聞かせいただけますか?

竹林:橋本さんは蝶々=バタフライなんです。ミツバチでもいいのですが、バタフライは次の花を咲かすために雄蕊を運びます。

―――蝶々というよりは蛾………失礼しました。

竹林:橋本さんも蝶々と同じで、新しい花を咲かすために日本の中で情報を仲介する人だと思います。いま、日本の中ではそうした人材が必要なんです。会社の中でも、社員食堂で同じところで同じ人とご飯を食べる人もいれば、いろいろと場所を変え、多くの人と食事をする人もいます。

 いま、日本レベル、いや世界レベルでそうやって動く人が必要。それが橋本さんなんです。日本のビジネスを立ち上げていく上で、いかにそういう人がたくさんいるかで、その国、その街のビジネスが立ち上がっていくかが決まって行くと思うんです。

 インターネットでもmixiでもそうですが、日本の文化の原点は人と人との“縁”だと思います。そうした情報という雄蕊持って、縁でつないでいくことで、花を大きくしていく。それが僕の考える橋本さんであり、フュ-チャーラボラトリのミッションだと思うんです。

―――なるほど。たしかにこれだけバラエティにとんだ人脈をもっている人はいませんね。

福田:私はアンチエイジングを研究しているですが、橋本さんにライフサイエンス関連の研究所に同行させていただいて、昼はアンチエイジングの話で盛り上がりながら、夜はこうして竹林さんにお目にかかって、また分野の異なる話をしている。橋本さんの人脈には本当に驚かされます。

―――確かにこうしたブリッジングはいまの日本では誰にもできないかもしれませんね。

橋本:たしかに私と同じような人は、いないかもしれませんね。その辺はアドバンテージだと自分でも思っています。ただ、そのアドバンテージをどうやってお金に換えていくのかは悩ましいところなんです。まったく余裕があって言っているわけでありませんが、今のところ、短期的なお金を求めることはせずに、やせ我慢しながらやっているのが現状です(笑)

竹林:これからの企業は橋本さんのようなところに投資するのがいいと思います。何億も何十億もは難しいれど、僕ならそうしますね。サービスとか、一個一個のモデルになんぼという事ではなく、どんなおもろい事ができるかを提案できるビジネスのコーディネータを育てていく。

 そういうコーディネータが増えると非常に面白い社会になると思います。

―――最後にこれからビジネスの世界に飛び込んで行く若い人たちにアドバイスをお願いできますか?

竹林:さきほども話したように、僕は歩くのが好きです。パワーがなくなったときには、人によっては、家族からだったり、趣味からだったりパワーをもらいます。僕は自然からパワーをもらっています。

 それが一番の本質だと思うからです。自然とのふれあいでバランスを取っているんだと思いますよ。そしてたまには電波が届かないところに行って、じっくり自分自身のビジネスモデル、人生モデルを考えてみることも大切。